薬害肝炎問題が揺れています。
何の落ち度もなく、感染した薬剤を投与され肝炎となり闘病している人は全国で推定1000人以上と言われています。それ以外にも日本は注射針の再利用などで感染した肝炎患者さんは350万人いるとされ、まさに国民病となっています。
その中でもC型肝炎の治療は近年インターフェロンと併用薬の改良で飛躍的に向上し肝炎であれば8割前後が治癒可能とされています。しかし、放置しておくと肝硬変、肝細胞癌と進行し死に至る病気です。
一方インターフェロンと併用薬との治療方法は高額でもあり薬代だけでも一ヶ月数万円になります。そのため少なくない患者さんが治療をあきらめている現状があります。
また肝炎であることを知らされていない患者さんは、後日肝硬変や肝細胞癌になって治療を開始し命を落としています。その数は1日120人とも言われています。
肝炎に対する偏見や誤解から患者であることを名乗れない人もいる状況の中訴訟が起こされ、1審段階では6地方裁判所で国の責任を一定程度認めるもしくは全面的に認める判決と賠償が判決として下されました。
これを受けて控訴した国に対し2審の東京高裁が早期決着を求め12月7日に和解勧告を出したわけです。その和解案に対する国の回答期限が12月20日でありました。
そして期限の12月20日に政府が「政治決断した」とする和解案が示されました。要約すれば以下の通りです。
◆国の責任を曖昧にし、明確には認めない。
◆賠償金額は当初4億5千万円だったものを35億円まで引き上げる。
◆賠償金は原告で好きなように配分する。
この内容には大きな問題があります。厚生労働省、薬事行政の責任を否定していることです。薬害エイズの問題で懲りたはずの厚生労働省は「薬害エイズの責任も認めていない」と交渉で口にしたと原告弁護団は憤慨しています。
さらに責任は認めないが国民の税金であるお金で賠償は支払う、それも額を吊り上げてやるからこれで黙れと言わんばかりの対応です。
「私たち役所は悪くはないが、うるさい原告に多額のお金を渡し後は内部で好きなようにしろ」と言われ札束で頬を叩かれていたと同じだと原告弁護団が主張するのも当然です。
薬事行政の責任を認め今後の薬害の防止をすることこそ必要不可欠であり、であるからこそ訴えた原告だけでなく訴えることが出来なかった患者さんを含む一律救済を求めているわけです。今回の和解案を政治決断で出した救済策だと豪語する厚生労働大臣や総理大臣の感覚を大いに疑います。
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